今年のあきた全国舞踊祭は、雪片舞う、寒い2日間でしたが、あきた芸術劇場ミルハスは、熱いダンサーたちのパワーで満ち満ちていました。
いつもながら、素晴らしい才能を持った舞踊家の卵を発見する喜びは、格別です。
特に、ジュニア2部は、エントリー数も多い中、ジュニア とは思えない表現力と技術を持った優れたダンサーが多かったように感じました。ただ、ジュニア1部、2部とも、アクロバティックな動き、柔軟性を見せる画一的な動きが多く、作品の流れが見えないものも多く見受けられました。アクロバティックな難易度の高い動きも、作品の表現に必要な動きであれば良いのですが、ダンス作品のテーマ、意図するものと関係ない、必然性のない動き、類似したポーズには、ダンスとして、魅力を感じません。振付の先生は、全体の流れの中で、どんな風に、テクニックを盛り込むか、よく吟味しなければいけないと思います。大ワザの前後、流れが途切れてしまうこともありがちです。トレンド的な動きを取り入れるのも良いですが、やはり個性ある、その人に合った、オリジナルな振付であることは大事だと思います。一方、シニア部は、個性ある、表現力の豊かなものが光っていて、上位入賞者の踊りを振り返っても、必ずしも、大きなアクロバティックな動きが評価に繋がるのではないことを証明したように思います。多くの人の心を掴むのは、テクニックではないのです。
身体の中から溢れるように語りかける踊りは、感動を呼びます。単に、情緒、感情を表すのでなく、身体表現として深く作品を追究した動き、空間を認識し、間の取り方の上手い踊りは、心に響きます。
群舞部門は、多様なスタイルの、ユニークな作品が多く、それぞれに面白く、優れていて、 審査するのは難しいのですが、一番楽しい部門でした。
他に、気になったことは、衣装が似ているものが多かったこと。言うまでもありませんが、作品やその人に合った衣装を考え、ひと工夫することが大切だと思いました。
エキシビジョン公演も盛会に行われ、観客の応援が熱く、舞踊を楽しむ観客が多いことに、感動しました。秋田の皆さんに認知され、支えられている舞踊祭だと、改めて認識しました。
これも、ひとえに秋田県芸術舞踊協会のご尽力の賜物です。これからもさらに発展し、舞踊を盛り上げて欲しいと思います。 |