【　第42回あきこん感想　】

川村 泉

舞踊家

（秋田県）

新劇場ミルハスになって2度目のあきた全国舞踊祭でした。毎年レベルが高いのですが、今年は更にレベルアップしたようで、どの人が1位でも良さそうでした。小さな点数の差は退屈するかどうかの違いでしょうか。少しでもエンタメ要素（息抜きの部分）があると楽しんで見続けることができます。 ジュニア①②部門は指導者の存在が非常に大きく、責任重大です。指導者または振付者がどこかで上位受賞作品の傾向に似た作品を創ってしまうことは残念です。そうではなくて、自らが新風を巻き起こす気力でチャレンジした作品は輝きを感じました。 曲芸的な技術には驚きますし訓練の賜物ですが、みんながそれをしてその技術をやり遂げたことで達成感を感じるのではあまりにも勿体ないことです。踊りはそうではないと導くことが賞をもらうより大事な指導だと確信しています。 その点、群舞部門はいろいろあって楽しかったです。審査の基準は技術のみならずエキシビションに出演させるかどうかをポイントにしています。技術的には未熟な部分や粗い動きもありましたが、意気込みや熱量が生命力をもたらします。 エキシビション公演は年々観客が増加傾向で、コンクールの関係者以外も、遠路から毎年足を運んでくれます。そしてようやく地元の観客も楽しみにしてくれるようになりました。地元の反応は本当に亀のようなゆっくりとした足取りですが、嬉しいことです。 実行委員長としては、エキシビション公演がやがてはチケットが売り切れで充分な出演料を出せる公演になるように…コンクールの受賞が終着点ではなくて、そのあとの「観客が求めてやまないダンス公演」を夢見ています。どうぞそのことをご理解の上、秋田にいらしてください。来年のエキシビションを楽しみに！

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