【 第 40 回あきた全国舞踊祭に想う 】 |
石原 完二 |
舞踊家 |
(京都府) |
日本のモダンダンスの発展を考えてみますと、この国独自の発展の仕方で歩んできたのではないかと思われます。勿論日本のモダンダンス界の先駆者たちによるノイエタンツやリトミック教育の導入、普及、又クラシックバレエ教育が多く取り入れられた事によりモダンダンスの基盤が出来上がる訳ですが、何事にもうまく融合させていく国民性も相まって、日本舞踊や舞踏、又伝統的な合気道等のようなものの影響もあるのではと思われ、独特な風合いのある日本独自のモダンダンスの世界が発展してきたのだと思われます。そしてここ何十年の間モダンダンスはどんどんスキルアップをして、よりアクロバティックにウルトラ C 級の技を入れ込むような傾向にあると思います。これは、新体操やブラジリアンダンスのカポエイラなどの影響があると思います。 ここ数年、コンクールに見られるこの様な傾向は、これが良いとなれば、ダンステクニックに限らず衣装や音楽の選択にも言える事でありますが、高難度であるが同じような 作品になりがちです。これはこれで突き詰めていく事として素晴らしい事だと思います。 私がこのコンクールで感じたことは、この様な作品の中で、一番大事な事は、ダンサーとしての個性、佇まいが、題材と衣装や音楽等がいかに上手くマッチして表現出来ているかという事です。当たり前の事ではあるのですが、一番難しい事であると改めて考えさせられた意義深いコンクールでした。 そして、このコンクールが来年又第 41 回として多くの参加者と共に増々発展していかれる事を期待しております。 |
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Update:2021/12/28 |
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