35年、35回の積み重ねの今回は、進化し続ける事への期待、そして守ることへの心地よい緊張感があった。思えば、この催し物に何らかの形で関わってから35年になる。35年前の県民会館大ホールで開催された懐かしき、第1回目のコンクール。時代の波を受けながら、形を変えつつも通い続けた私である。
藤井信子先生の意思が現在まで生き続けている事は、誠に感慨深い。
私が続けている理由。踊りが好き。秋田が好き。コンクールが好き。何よりも藤井先生が川村先生が好き。それが高じての35年のように思える。
この節目を機に、更に向上させようと、提案し続ける秋田県芸術舞踊協会には、頭が下がるばかりである。
あれもこれも現在までのどれ一つをとっても進化の一言に尽きる。
今回は、どの部門もかなりの狭き門となり、悲喜こもごもが行き交っていた。
指導者として参加して居た頃も、審査する側として関わる今も、変わらぬポリシーがある。
年々向上してゆく技術には、目をみはるばかりである。身体能力に比例した、心が感じられた時、心が動かされる。心と技術のバランスが感じられる作品には心惹かれる。又、その年齢ならではの作品への理解度が存在しているかどうかも知りたくなる。いかにも押し付けらしい作品には、ときめきを感じない。
向上の為の多少の背伸びは、時には必要ではあるが、行き過ぎにはうなずけない。
我々指導する側の責任がいかに大きいか…を再認識することになる。
コンクール程多くを学べる場はなかなか無いように思う。この素晴らしき場を経験できる若きチャレンジャーは、恵まれた環境を大切にして、今後も羽ばたき続けて欲しい。
|