【 第38回あきた全国舞踊祭 審査感想 】
川村 泉
 舞踊家
(秋田県)
肖像  今年も全国の皆様の温かいご支援の下、無事盛会に終了し、感謝申し上げます。審査の感想ですが、部門ごとではなく、全般的に感想を述べます。

 私の採点基準は「エキシビション公演で披露して、観客の皆様に感動していただけるかどうか」です。「これはお見せしたい!」という思いに比例して点数をつけました。
 そうすると結果的には①体のコントロールや訓練ができていること、②作品や音楽、衣装に手抜きのないもの、③その人自身の輝き、魅力、飽きないもの、が高得点になります。

 今回は12人の審査員が、それぞれのポリシーで採点し、その総意がエキシビションの舞台となったわけです。照明の効果もあり、コンクールよりも数倍もよく見えて、本当に次々に魅力的な作品が並び、とても良い時間でした。日々練習を重ね、間を置かず、熱いうちのアンコールだからこその輝きが増していました。

 ただ、その年により流行があるのかもしれませんが、日本語の歌またはセリフで踊る人が多かったのが、エキシビションでも気になりました。似ているということはモダンダンスでは残念なことです。エキシビションがたくさんの個性であふれることが望みです。

 昨年の最優秀群舞賞の日体大ダンス部は今年も同じ「ジャン・ケン・ポン」でゲスト出演し、さらにバージョンアップして観客が大いに喜びました。コンクールはシリアスな作品が多いのですが、明るいテーマやユーモアのある作品も多くなるとそれぞれが引き立っていいと思います。

 秋田は空気の良さだけが取り柄の小さな町で、全国からいらした皆様には少し静かな町でしょうけれど、舞踊の先達が育った土壌です。この美味しい空気や食べ物で体内やインスピレーションを浄化していただけたら幸いです。そして、コンクールではありますが、エキシビションのためのオーディションと思って楽しんでください。エキシビションが今後、更にユニークな舞台になるように願い、次回も心躍る作品を楽しみにしております。参加の方々に感謝を込めて。
実行委員長 川村 泉 

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Update:2020/1/18  

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