秋田コンクールによせて

柴内 啓子
(岩手県)
肖像

 季節が毎年巡ってくるように、決まって12月初旬に秋田を訪れます。ある時は大雪に、ある時は強風にと厳しいこともありますが、いつも温かい人々との触れ合いの中で、仕事をさせていただくのを楽しみに通い続けて、早20数年が過ぎました。

 全国舞踊コンクールの中で唯一モダンダンスだけのコンクールだけに大変貴重な事業ですが、関係各位のご努力の結果、年々充実して32回を数えることになり敬服しております。

 今回のコンクールは、大変充実した、しかも興味深いものだったように思います。今回は、群舞部門に時間制を導入することで創作性の高い作品が多く参加しました。素晴らしいアイデアかと思います。何よりも制度として固定せず常に改善発展させるという意欲と決断力に敬意を表したいと思います。

 今回は足に障害のある方の素晴らしい身体能力と表現力にどなたも驚愕したことと思います。恐らく舞踊に取り組んでいる方は、いかに努力が尊いものであるかを感じるとともに大きな勇気をもらったことと思います。

 秋田の熱い戦いは昔も今も変わりなく続いており、むしろ年々レベルが高くなり作品の傾向もゆるやかですが変化しており戦いは激しくなるばかりです。それだけに一層意欲を掻き立てられます。全国各地から多くの人の参加を期待したいと思います。

 将来舞踊家になる目標を持っている人は勿論のことですが、すべての参加者は自分に挑戦し、青春を舞踊にささげている人も多いことと思います。これは大変意義のあることですが、技術やセンスの向上だけではなく忍耐力や集中力も向上しますし仲間との関係も重要であることをしっかりと理解し、これからの人生にも生かしていただきたいと思います。

 このコンクールが日本の舞踊文化の振興に果たした業績は計り知れないものがあります。
今後ますますのご発展をお祈りいたします。


> Press65 へ戻る ▲TOPに戻る
Update:2017/02/16  

© 2015 akicon.net